開発の背景
心房細動は、それ自体が死亡の直接的な原因となることはまれですが、予後不良の脳梗塞を引き起こす因子となります。心房細動患者の脳梗塞の発症率は平均5%/年であり、心房細動のない人の2~7倍高いというデータがあります。
そのため心房細動が見つかれば、血栓ができないようにする「抗凝固療法」が必要となります。しかし抗凝固療法において、服薬忘れや自己判断での服薬中止などによる脳梗塞発症が問題になっています。最近の海外データによると、薬を10%余らせる(つまり、服薬忘れ)ごとに、死亡と脳卒中リスクは10%上がるというショッキングな報告もあるのです。医療現場では診療室や薬局での説明を丁寧にするよう心掛けるなどの対策が講じられていますが、限界があり根本的な解決には至っていません。
このアプリは、スマートフォンの「適切な情報を適切なタイミングで届けられる」という利点を活かして服薬アドヒアランスを向上させ結果として脳梗塞の予防を目指すために開発されました。
「心房細動アプリ」とは
「心房細動アプリ」では、設定した時間に服薬のお知らせをするリマインダー機能により“うっかり服薬忘れ”を防ぎます。
また、時間の経過とともに服薬持続のモチベーション低下や自己判断による服薬中止の傾向があるため、疑問を感じた時、治療に関する正しい情報をすぐに学べる動画も搭載しています。さらに、服薬カレンダー機能では、服薬の履歴を残すことができ、アプリの画面を見せることで医師との情報共有ができその先の治療計画にも役立ちます。
2022年9月、心房細動アプリに新機能「体験共有」が追加されました。自分の心房細動体験を投稿することで、他のユーザーと体験共有することができます。
体験を共有しあうことで自分のちょっとした悩みが解決したり、ほかのユーザーの悩みの参考にもなります。
ぜひ、ご活用ください。