top of page

​第2回インタビュー記事:麻木久仁子さん

KApic1.png

素敵な笑顔でインタビューに応じてくださった麻木久仁子さん

 

―テレビ番組や講演会など精力的に活躍されている麻木さんですが、40代の時には脳梗塞、さらに乳がんもご経験されたそうですね。

 

40代の後半までは特に病気をすることもなく、仕事に子育てにと忙しく働いていたのですが、ある時急に右半身に痺れを感じて。畳の上に長時間座った時のようなジーンとした痺れです。その時は感覚が無くなって歩けなくなったんですが、1分程すると症状がおさまったので、救急車は呼ばず4日後に病院に行くと軽度の脳梗塞という診断でした。後から聞くと、本来は脳梗塞は時間勝負なので一刻も早く病院に行くべきだったのですが…。軽度だったので後遺症もなく済んだのは幸いでした。

 それまで病気知らずだったので、自分の健康を過信していたんですね。脳梗塞になったことでそれを反省して、ちゃんと人間ドックにも行かなくちゃと思いました。その時は「他に悪いところはないだろうけれど、50代のスタートラインに」という思いだったんです。ところが、その人間ドックで初期の乳がんが見つかって。すぐに手術を受けて、その後は放射線治療とホルモン治療を受けました。

 

―病気を経験されて健康に対する意識はどのように変わりましたか。

 

 どんなに健康自慢でも、これと言ったリスクがなくても病気になり得るのだとはじめて知りましたね。

がんというのは、リスクを下げるために良いとされている生活習慣などはあっても「予防」というのはできない病気ですよね。タバコを吸わなくても肺がんになることはあるし、逆に吸っていても発症せずに長生きされる人もいます。病気は、ある意味では地雷のように避けようのないものなんだと思うようになりました。

 でも病気の予防ができないから健康管理は意味がないかと言うと、そうでは無いですね。いざ病気になっても、戦えるだけの体をつくっておくとか、治療の選択肢があるならばできるだけその可能性を狭めないような健康な体をつくっておきたい、そんな風に思うようになりました。

 

―なるほど。たしかに病気になっても戦える体づくりはとても重要ですね。

 

 そう思ったのには母の病気もあったんです。母は私以上に元気な健康自慢な人でして、ずっと社交ダンスも楽しんでいます。そんな母ですが、70代のある時に胸が痛いと言うとので病院に行くと「大動脈弁狭窄(きょうさく)症」と診断されました。一般的な手術とは言え術後のリハビリが重要で、高齢者だとせっかく手術が成功しても術後に動くのが億劫になったりして寝たきりになってしまう人もいると聞きました。ところが、母は術後3日目からリハビリに励み、一年たったころには社交ダンスも再開する程に回復したんです。そんな母の姿からも、普段から体力をつけておく大切さを改めて感じましたね。いつまでもピンピンしているのは難しいでしょうけれど、自分の年齢の平均かできれば少し上の体力を目指していきたいですね。

 

―今はどのように健康管理をされていますか。

 

快食、快眠、快便。そんな当たり前のことを気をつけています。病気になってから食事も見直すようになって、そんな時に目に留まったのが「薬膳」でした。「いかに日ごろから体のバランスをとっておくか」という東洋医学の考え方が自分に合っていると思ったんですね。そんな風に日ごろの健康管理をして、いざという時、病気になった時に西洋医学の最先端の治療を受けてしっかり病気と戦えるようにしておきたいと思っています。

 

―「薬膳」を日々の食事に取り入れておられるんですね。

 

 薬膳はその人の体調に合わせて食材や調理法を考える、言わば「オーダーメイド」の食事です。おのずと1日に2回か3回、自分や家族の体調を振り返ることになります。いち早く不調に気づけばお医者さんに相談もできますので、それが自分の健康を過信しないということにつながります。「バランスを整えるために今日は何を食べよう?」と考えること自体に意味があると思っています。

 

―病気を経験してから国際薬膳師の資格を新たに取得され、薬膳に関する本を出版されたり講演会活動をされるなど、ますます活躍の幅を広げておられます。今後の夢や目標はありますか。

 

 年齢を重ね、病気も経験して「人生は必ずしも前進するとは限らない」と思うようになりました。努力に関わらず人生はなにがあるか分からない。ある種のあきらめですね(笑)。でも良い意味では「できることはやろう。できないことは責めても仕方ない」と思えるようになりました。

 今は将来のことって具体的に描いてはいないんです。でもできるだけ楽しく生きていきたいですね。

 「楽しい人生って何だろう」と自分に問いかけてみると、変化するこということだと思うんです。初めての仕事や人、そういうことから刺激をもらいたいという好奇心ですね。この年齢になってそんなに大きな冒険をしようとは思わないですが、だからと言って何も変化せず守りに入ってしまうのもつまらないですよね。

 ある方が、毎日たった5%だけでも変化すれば数年経ったら大きな変化になっていると仰っていたんです。大したことでなくても、例えばいつもと違うルートで歩いてみたり、食べたことないもの食べてみるとか(笑)。そんなことでも1年やっていると面白いことになっているんじゃないかななんて思っています。

 

―日々の変化の積み重ねがどんな自分に繋がっていくのかと考えると楽しいですね。

麻木さんのこれからのますますのご活躍、楽しみにしております!

KApic2.png
bottom of page